鑑定内容
『高校入学後のひきこもり』についてのご相談
高校に入学してから閉じこもる事が多くなり現在は完全に登校拒否状態。
最近は食事や入浴の回数も減り心配だが、話しかけても返事が返ってこない状態が続いている。
ご相談内容の詳細
子供のことでご相談致します。
私は47歳の母親です。 子供は16歳、高校一年生男の子です。
子供が中学を卒業して高校に行くようになってから、だんだん家族と話をしなくなり部屋に閉じこもることが多くなりました。
最初は、環境も変わり気持ちの変化もあることと気にしていなかったのですが、学校を休むことが多くなり、今はまるきり行っていなく登校拒否の状態です。
最初のうちは話しかけると返事くらいは返って来ましたが、今は返事も返してきません。
部屋には鍵がかけられているので様子を見ることも出来ず、部屋から出てくる時に話しかけますがこちらの応対には一切応じません。
食卓に食事は用意してありますが、入浴等、家族が寝静まってから一人でこっそり終わらせているようで、最近では食事に手をつけないことも度々見受けられます。
子供が何を考えているのかわかりません。 子供の気持ちが知りたいです。 ずっとこのままなのか、それとも未来はあるのかも知りたいです。 何かわかることがあればアドバイスお願いします。
まだ高校に入ったばかりで、これから学生生活が楽しく過ごせるはずのお子さんが部屋から出てこないのは、親として心配だと思います。 家族が元の形に戻ることを願い、今後の解決の糸口が見つかると良いですね。
それでは、 ここから 「鑑定」 した内容をお伝えしていきます。
読み解き
お子さんの今の気持ちから、何事にも触れたくない知りたくないという現実逃避が読み取れます。
予想もしていなかった出来事が彼の心を閉ざし、部屋から出てこなくなったという形になっています。
今のままが永遠に続くということはありませんが、しばらくはこの状態は続きます。
嫌なことから逃げたいという感情が大きく、彼自身が動くことを拒否しています。
新生活での夢や希望があったようですが、思い描いていたことと違ったようです。
元々内向的で人と積極的に交わる性格ではなかったようですが、相手の気持ちを汲み取り優しさで接していた彼。
その彼の優しさに手を差し伸べてくれていた友人たちとの中学時代。
そんな仲間に支えられ、自分のやりたいことをやってみようと勇気を持ちチャレンジし、新しい環境下で自分発掘を試みようと努力している最中、想像していた状況にかなりのズレがあり、思いと現実がかけ離れ 、戸惑いから誰かに助けを求めることも出来ず、また誰かが助けてくれることもなく自ら内にこもってしまったようです。
このようなことから、 「なぜ自分が?」「なぜ自分だけ?」と思うことで正しい答えがわからなくなってしまい、夢や希望を持っていた自分を見失い闇の中に心を置き去りにしてしまったようです。
では、今の状況を魂の視点から見たらどうなるでしょうか。
どのようなケースにも魂の課題がありますが、今回の場合のキーワードは『逃げ』です。
嫌なことから逃げると、その状況を目の当たりにしている本人が解決するまで何度でも同じことが起こり、何度も同じ失敗をします。
ここでの魂の学びは、「逃げずに問題から目を逸らさず現実を受け止めること」となりますが、これは体験している人にしかわからない辛さ苦しさがあります。
まずは心が癒されないことには解決の糸口が見つかりません。
今は心を閉ざしている状態ですが、究極の「自分と向き合う」時間を一人で過ごしています。
魂と真摯に向き合い、魂の学び経験を実感している状態です。
嫌なことからは逃げることが出来た。だけど、辛い苦しいから逃げられず葛藤中です。
そして、親であるご相談者様の魂の学びは、「見守る」ということ。 ただだまって見ているのは、親としてかなり精神的に参ります。
いつも行っていた食事・お風呂等が、普通に行われていない状態は、親として心配ですよね…。
心配ばかりしていてもラチがあかないのはお母様自身が痛感していることと思いますが、 見守るに徹して普段から行っていたことを変わらずやってみることから始めると良いでしょう。 幸いなことに、元気な時は家族との交流もあったようですし、実際に言葉を交わすことは無くなりましたが、メールやLINE等でのコミュニケーションを取ることも「見守り」のひとつです。 この際、 親として心配している気持ちを前面に出すのではなく、友人や職場の方に話しかけるような「人として」の気遣いを持って接することがカギになります。
そして、息子さんに何が起きているのかを読み解いてみると、
『学校で辛く苦しいことがあり、最初はなんとか気持ちを保っていたが親にも言えず、相談する相手もいなく自分で出来ることは嫌な状況から逃げること』という決断に至ったようです。 嫌なことから逃げることは一番楽で一番簡単なことです。
このことから、 彼は『逃げていても何も解決しない』という気づきと、お母様はそんな彼を気遣いながら、彼の気づきを待つ『見守る』ことをしなければいけません。
その後の変化
見守りながら、タイミングを見て声を掛け、顔が見られない時にはLINEにメッセージを残した。
これは彼が元気な時から行っていた日々のやり取りを変わらずやっていたそうです。
最初は既読すらつかなかった状況でしたが、ドアにメモを貼り「今日のご飯、LINEに送ったよ」など、メッセージを残すことで既読だけはつくようになったりと、声をかけることを極力抑え、文字でのコミュニケーションを取ることで親としては安心感を得られたそうです。
部屋から出てきて家族団欒とはいかないですが、食事を摂っている状況が見えたり、お風呂に入ったりしている様子が見えるようになったとのこと。
まだまだ時間はかかりそうだけど、親としての心配をするだけではなく、人としての接し方の勉強を彼を通してさせてもらっている気持ちになれたようです。
★お客様からの感想
息子でありながら、いつまでも子供扱いすることで気持ちが離れることがあるというのを知った時、かなりショックだったけど息子も自分と同じ「人」だったと知った時、余計な気遣いや心配は息子自身を追い込むことだと知りました。
まだ人としての接し方がわからないところもありますが、ゆっくり時間をかけながら今出来ることをやり、進んでいこうと思います。
まとめ
希望を捨てることなく、向き合う。
引きこもりで悩みを抱えている親御さんは、自分が引きこもり経験がないので、「なぜ?」「どうして?」と戸惑いがちです。
また、「自分だったら…」と自身に置き換えて考えてしまいがち。
辛く苦しいのはお互い様です。 そして、その辛さ苦しさを経験しているのは『自分』です。
心許せる家族が突然心を閉ざした時、戸惑いは当然のことですが、客観視することで解決の糸口が見つかることが日々の生活の中に隠されています。
希望を捨てることなく、向き合う。 大切ですね 。